ミライ会議とは

目黒区の商店街活性化を目指し、次世代を担う若者の育成に取り組む地域連携プロジェクトです。本プロジェクトでは、地域の高校生が主体となり、商店街でのイベントの企画・運営を通じて商店街への理解を深めます。高校生の斬新なアイデアと行動力を活かし、伝統ある商店街に新たな価値を創造することで、世代を超えた地域コミュニティの活性化を目指す団体です。

ミライ会議の歴史

ミライ会議は当初、地域を結ぶ勉強会「チームスマにゃん」の活動の一環として行われていました。この「チームスマにゃん」の会議では、目黒区各商店街の今後の運営方法や店舗間の連携などについて意見が交わされていました。そこから、地域の学生の意見を聞き、それを反映させたいという声が上がりました。

(若手育成事業_チームスマにゃん発足)
(チームスマにゃんユニフォーム作成)
第12回「チームスマにゃん」の会議以降、学生と共に商店街のミライを考えるワークショップや様々な企画が行われるようになりました。

(商店街のミライを考える)
(商店街のミライを考える)
2019年度からは東京大学「エンパワー」を中心に、地域の7つの高校から学生を招き、学生主体の「目黒区ミライ会議」が開催されるようになりました。この会議では、インスタグラムなどでの各地域のプロモーションビデオ作成などの取り組みが行われてきました。

(若手育成事業 宣伝部 ミライ会議)
(若手育成事業 宣伝部 ミライ会議)
2021年度はコロナ禍の影響で参加校が減少し、活動が一時的に停止しましたが、2022年度からは自由ヶ丘学園高等学校を中心に、ミライ会議が再開されました。この年からは、高校生による地域企画の実施や「のんびり散歩」の学生運営など、学生の積極的な関与が始まりました。

(商店街商品券で実際に買い物)
(商店街商品券で実際に買い物)
(商店街商品券で実際に買い物の発表)
(商店街商品券で実際に買い物の発表)
そして2023年度には、「令和6年能登半島地震」の募金活動を学芸大学、都立大学、自由が丘、中目黒、祐天寺、洗足の6地域で行い、約63万円の寄付金を集め目黒区を通じて石川県の被災地に寄付させていただき、ミライ会議の活動が目黒区全域で認知される要因にもなりました。
また、この募金活動に誘発され当目黒区商店街連合会では、区内商店街の方々からも義援金を集めて、こちらは150万円を金沢市商店街連盟に寄付することができました。

(能登半島募金)
(能登半島募金)

目黒区ミライ会議の活動履歴

今年の活動

能登半島の募金

目黒区ミライ会議では、法政大学の学生メンバーが放置されていた輪島塗を活用したチャリティーイベントを実施しました。これらの輪島塗は、令和6年に発生した能登半島地震により住居が倒壊し、金沢市や仮設住宅への移住を余儀なくされた方々から、「処分してしまうより役立ててほしい」という思いでお譲りいただいたものを活用し、募金活動を行いました。

そして、大学生が実際に能登を訪れて収集した輪島塗を、自由ヶ丘学園の協力のもと、丁寧に洗浄・手入れを行い、プラスチック製品が混入していないかなどの確認作業も実施しました。
その後、目黒不動尊の「おいもさんフェア」にて輪島塗チャリティー販売ブースとして出店を行いました。また、祐天寺のんびりイベント散歩にもブースを出店させていただき、多くの方々にご参加いただきました。

のんびりイベント散歩のボランティア活動

今回の「のんびりイベント散歩」は、洗足、学芸大学、大岡山、目黒不動、祐天寺の5箇所で実施され、多くの方々にお越しいただきました。また、当日ののぼり、クイズ、テントの設置は、目黒区ミライ会議を始めとする多くの学生スタッフが協力して行い、イベント運営やデジタルでの受付も学生が手厚くサポートしました。目黒不動では、学生が企画したフリーマーケットも実施され、多くの地域の方々にご参加いただきました。

祐天寺のつちおこし

グリーンクラブ | 目黒区

11月9日、目黒区ミライ会議では学生の企画によるまちの緑化活動の一環として、祐天寺グリーンクラブの駅前に位置する花壇の土起こしを行いました。当日の参加スタッフには多くの高校生と地元のグリーンクラブの皆様が共に作業を行いました。高校生は初めての土起こしだったため、土起こしの手順を学び、協力して作業を行いました。作業終了後には道具の手入れや花壇周辺の清掃を行い、地元のグリーンクラブの皆様から振る舞いをいただきました。

今後の展望について

目黒区ミライ会議の今後の展望としては、ミライ会議の参加校を広げていきたいと考えています。また、イベントとしては洗足プリモ芸術工房での商店街音楽祭の開催や、法政大学との連携を図り、目黒不動での縁日に参加することなどを予定しています。

成果報告会について

2025年3月23日 東京大学駒場キャンパス(目黒区)にて

先日、実施された「ミライ会議」の活動報告会を開催いたしました。報告会では、昨年度に参加したメンバーによる取り組みの成果や今後の展望について、さまざまな発表が行われました。

昨年度は、自由ヶ丘学園高等学校や法政大学の生徒・学生を中心に、多様なアイデアと熱意を持った若者たちが集まり、それぞれの視点から地域の未来を考えた企画を立案しました。主な取り組みとしては、「街中花壇化計画」を通じて地域の景観を美しく整える活動や、地域イベントへの積極的なボランティア参加を通じて住民との交流を深めた実績が報告されました。

さらに、地域の伝統工芸である「輪島塗り」の魅力を広く伝えるための販売プロジェクトも行われ、伝統と現代のつながりについての学びや発見も多くあったようです。それぞれの活動からは、地域に対する新たな視点や、持続可能なまちづくりへの意識が育まれており、参加者たちの成長が感じられる内容となっていました。

今後もこうした取り組みが継続され、さらに多くの若者たちが地域に関わる機会が増えることが期待されます。

また、報告会の後半では、令和7年度以降に向けた今後の活動計画についても活発な討論が行われました。参加者たちは、これまでの取り組みを踏まえた上で、地域とのつながりをより深めるための新たなアイデアを出し合いました。

令和7年度以降の具体的な活動案としては、毎年商店街連合が中心となって実施している「カレンダー企画」への参画が提案されました。地域の魅力を写真やイラストで表現し、地元の人々とともに作り上げるこの取り組みを、若い世代の視点からさらに盛り上げていこうというものです。

加えて、地域の情報発信力を高めることを目的とした「SNS運用」も議題に挙がりました。InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを活用し、商店街のイベント情報や店舗紹介、地域の魅力を発信することで、より多くの人々に足を運んでもらえるようにする狙いがあります。

さらに、都立大学の「パーシモンホール」での開催が予定されている「目黒区商店街音楽祭」への参加・協力についても話し合われました。この音楽祭を通して、音楽という文化的な側面からも地域の活性化を目指し、多世代が交流できる機会を創出していくことが提案されました。

これらの提案内容は、区長に対しても正式に発表し、今後の実現に向けて検討が進められる予定です。若者たちの柔軟な発想と地域愛が結びついたこれらの企画は、今後のまちづくりにおいて重要な役割を果たしていくことが期待されます。

最後に、当日参加されていた日本大学目黒高等学校の生徒の皆さんや、トキワ松学園の皆さんとともに、今後の活動に向けた提案や意見交換を目的としたグループディスカッションを行いました。それぞれの学校が抱える地域との関わり方や、これまでの取り組みの共有を通して、多くの学びと気づきが得られる貴重な時間となりました。

ディスカッションでは、学校ごとの特色を生かした地域貢献の方法や、協働できそうな企画のアイデアなどを活発に交換し、参加者たちは真剣な表情で意見を述べ合いました。また、世代や学校の垣根を越えた交流によって、お互いの視野を広げるきっかけにもなり、今後の連携や共同プロジェクトの可能性も見えてきました。

このような対話を通じて、若者同士が刺激し合いながら、より良い地域社会の実現に向けて共に歩んでいく土台が築かれたことは、今回の報告会における大きな成果の一つと言えます。